いわゆる脂肪肝のうち、アルコール性肝障害など他の原因の肝疾患を除いたものが、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)です。NAFLDの多くは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などを基盤に発症することから、メタボリックシンドロームの肝病変として捉えられています。そのなかでも、進行性で肝硬変や肝がんの原因となるものが、非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)と呼ばれます。NASHはNAFLD全体の1-2割といわれていますが、肝硬変、肝がんへ進展することがあり、注意が必要です。
NAFLD/NASHは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などのメタボリックシンドロームと関連する合併症を伴うことが多く、まずその治療を行います。肥満がある場合は食事と運動療法により減量を図ります。
NASHは5-10年の経過観察で、5-20%が肝硬変へ進展すると報告されています。
出典:NASH・NAFLDの診療ガイド2015日本肝臓学会編、NAFLD/NASH診療ガイドライン2014
日本消化器病学会。
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