糖尿病の慢性合併症の一つに、糖尿病性腎症があります。網膜症、神経障害と並ぶ、細小血管症という種類の合併症で、糖尿病の三大合併症(トリオパチー)と呼ばれることもあります。
糖尿病性腎症は、わが国の透析導入の原因として最も多く、発症および進行を予防するには、早くからの血糖コントロールと、血圧、脂質の管理が重要です。
下の表のように、尿アルブミンおよびeGFR(推定糸球体濾過率)から病期が分類されます。第2期では適切な管理により腎症の改善が期待できることから、2期までで食い止めることが重要です。病期の評価のためには、定期的な尿検査と血液検査が必要です。
血圧は、130/80mmHg未満(家庭血圧は125/75mmHg未満)が目標で、ACE, ARBと呼ばれるレニン-アンジオテンシン系を抑制する降圧薬が第一選択となります。
禁煙、減塩といった生活習慣改善も必要で、第3期以降になると、タンパク制限も考慮します。
出典:糖尿病治療ガイド(日本糖尿病学会編・著)2016-2017、糖尿病診療ハンドブックVer.3(中外医学社)
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