糖尿病治療薬には様々な種類があります。経口血糖降下薬と呼ばれる飲み薬のなかには、肝臓や筋肉でのインスリンの働きを高めるインスリン抵抗性改善系薬、膵臓からのインスリン分泌を促すインスリン分泌促進系薬、小腸からのブドウ糖吸収を遅らせる食後高血糖改善系薬などがあります。注射薬のインスリンもあり、病態に応じて治療を選択します。
(図)それぞれの経口血糖降下薬の作用
今年、従来のものと違う作用の、SGLT2阻害剤という飲み薬が発売されました。腎臓の尿細管で、糖の再吸収を行っているSGLT2の働きを抑えることにより、過剰な糖を尿に出すことで血糖値を下げる薬です。
この薬を服用すると、1日に約100g(400kcal相当)の糖が尿に排泄されます。血糖の改善効果と体重減少効果もあり、約1%のHbA1cの低下と、3㎏の体重減少が認めらます。
注意点としては、尿糖の排泄に伴い尿量が増えるので、脱水の予防が大切です。水分を多めに補給するよう心掛けましょう。また、糖が尿と一緒に出るため、菌が繁殖しやすい状態になり、膀胱炎などの泌尿器感染症のリスクが高くなります。清潔を心がけ、頻尿や陰部の違和感などの自覚症状がでたら早めに医師に相談するようにしましょう。
脱水になりやすい高齢の方や、やせ型の方には不向きですが、肥満傾向の方、利尿効果で血圧も下がるので高血圧を合併した方に特におすすめです。
*出典:「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013」、他。
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