いわゆる脂肪肝のうち、アルコール性肝障害など他の原因の肝疾患を除いたものが、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)です。NAFLDの多くは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などを基盤に発症することから、メタボリックシンドロームの肝病変として捉えられています。そのなかでも進行性のものが、非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)です。NASHは、肝硬変、肝がんへ進展することがあり、注意が必要です。
腹部超音波などの画像診断で脂肪肝の有無や程度が分かり、血小板数や、FIB-4 index、NFS(NAFLD fibrosis score)などで進行度合いが推測できます。FIB-4 index 1.3未満は線維化低リスク、1.3-2.66は中リスク、2.67以上は高リスクとされています。
NAFLD/NASHは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの基礎疾患を有することが多く、病態に応じた治療を行います。肥満がある場合は食事と運動療法により減量を図ります。
NAFLD/NASHでは死亡率、肝関連死亡率が高く、心血管病の高リスクでもあります。適正な経過観察、治療が必要です。
出典: NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版)
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